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2019.05.14

マリン・アフリカンフラワーをきらめく加工で

マリン、ボタニカル、エスニック…。

2020年春夏にぴったりな刺繍を作るために、タナベ刺繍ではテーマを掲げて新作を考えてきました。これまで刺繍研究室を通してお伝えしてきたのは、刺繍テクニックがぎっしり詰まったトロピカルな植物柄やエスニック風なマリン柄、透け感=シアー感にこだわったチョウ柄やマリン柄です。

今回は、キラキラ素材=スパンコールを上手に使った、マリン柄とエスニック風柄をご紹介したいと思います。

ダイジェスト画像は次の通りです。

(ビーチグラスをイメージした刺繍と、ワッペンとして縫い付けた海の生き物の刺繍)

( 9mm、3mmのシークインを取り入れた刺繍。シルバーが光加減で明暗豊かに見える)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

〜目次〜
◼︎マリン ビーチグラスと海の生き物
◎各モチーフと手法
①ビーチグラス【アップリケ、スパンコール】
②タツノオトシゴ・ヒトデ【ワッペン】

◼︎エスニック 9mmシークインとアップリケを使った大花
◎各モチーフと手法
①フラワー【アップリケ、スパンコール】
②9mm、3mmシークイン

◼︎マリン ビーチグラスと海の生き物

こちらは、浜辺に打ち上がったビーチグラスをイメージした刺繍です。

ビーチグラス(シーグラス)とは、瓶などのガラスの破片が波にもまれて丸みを帯び、海岸や湖畔などに打ち上がっているものです。今回はアップリケやスパンコールで表現しました。

◎各モチーフと手法

①ビーチグラス【アップリケ・スパンコール】

アップリケは、サテン生地のものとチュール生地のものを使っています。上の刺繍だとラムネ色がサテン生地、グリーンがチュール生地のものを使っています。

サテン生地を使うと、マットで柔らかい光具合、テカリ具合となり、優しい雰囲気が出ます。

チュール生地を使うと、サテン生地と同様に優しい雰囲気が出るのですが、光沢はなく身生地が透けることで雰囲気が異なって見えます。

どちらもアップリケを、光沢感あるレーヨン糸できめ細やかに、丸みが出るように縫い付けています。そうすることでビーチガラスらしい丸みを帯びた優しい感じや、適度なツヤ感が出るようです。

また、イエローとシルバーのスパンコールもビーチガラスをイメージしたのですが、シルバーのものは四角のスパンコールを使っています。四角をきちんと整列させず、ランダムな動きが出る縫い付け方をしているので、堅苦しくない自然な感じが出ています。

ブルーのスパンコールはグリッターステッチによって糸を浮かせているので、スパンコールが立ったり動いたりする感じが泡らしくなります。くしゅくしゅ、しゅわしゅわ、キラキラした感じが出ています。

②タツノオトシゴ・ヒトデ【ワッペン】

この刺繍に付けているのは、タツノオトシゴとヒトデのワッペンです。身生地に直接刺繍しているのではなく、まずモチーフを別の生地に刺繍してから、輪郭をカットして縫い付けているのです。

つぶつぶした縫い方、線が浮き出る縫い方、広範囲にツヤ感を出す縫い方、グラデーションを出す縫い方など、様々です。ウロコのテカリ加減、ヒレのひらひらした感じ、薄くて透き通った感じなどはスパンコールの素材や縫い方で表現しています。目元や尻尾などのアクセントは、手付けのビーズで表しました。

同じデザインのモチーフであっても、配色や素材の選び方や、どの部分をどのような縫い方にするかによって、見え方が大きく変わってくるでしょう。

膨らみを持たせるように縫い付けると、さらにヒトデらしい立体的な見え方になるようです。

ちなみに、

衣服の場合、首回り用に配置するとこんな感じになりました。

◼︎エスニック 9mmシークインとアップリケを使った大花

9mmスパンコールを使って、エスニックな模様を表現したいと思って生まれたのが上の刺繍です。アップリケを使った手書き風の大花と組み合わせています。

◎各モチーフと手法

①フラワー【アップリケ、スパンコール】

花びらをアップリケ、花のめしべやおしべに当たる部分をグリッターステッチで表現しています。アップリケは、その生地に合わせた色で留めています。その輪郭をラフな線の感じで刺繍することで、手書きのような雰囲気が出ています。

②9mm、3mmシークイン

一方小さめの花や模様にあたる部分は、平縫いで留めています。

スパンコールの大小の違いや、エスニックな模様に落とし込んだスパンコールの使い方が面白く見えるポイントです。


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