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2014.03.03

日本の刺しゅう業とは

日本の刺繍の歴史は、飛鳥・白鳳時代、仏教文化の一環としてインドを起源とし、シルクロードを通り、中国を経由して日本に入ってきたと言われ、奈良中宮寺の繍仏「天寿国曼荼羅」が現存する最古の刺繍とされています。

日本の刺繍の特徴は仏教文化の中に育まれ、貴族と富豪を対象とした服装として育ち、明治になり庶民の生活に浸透してきました。

従来の手刺繍に加え、刺繍ミシンが導入されたことにより、京都を中心とした和服関連の刺繍を始め、洋服への刺繍も広まり大衆化が促進しました。

更に、自動刺繍機(ジャガード刺繍機)の開発により、刺繍技術の熟練者を必要としないで自動的に刺繍が可能となり更なる発展を遂げました。

(参考文献:日本刺繍の歴史 日本染色芸術叢書)

刺繍業は、日本古来の家内工業的または手工業的なものとして発展し、特にその技術は国内外より高く評価され、過去の第二次世界大戦中は政府によって技術保存の措置まで講じられた産業であります。

戦後復興から昭和50年代にかけて、繊維工業の発展に伴い、その二次加工業として近代化及び機械化が要求され、日本ジャガード刺繍工業組合の働きかけで昭和42年2月には日本標準産業分類に「刺しゅう業」として政府により追加設置となりました。

続く昭和51年には中小企業近代化資金等助成法に基づく指定業種に認定され刺繍機及びパンチングマシンが設備対象となり、業界は近代化が急速に促進され、近年では刺しゅう業において様々な業種業態が生まれ新たな商品やサービスへと繋がり、もはや繊維産業になくてはならない存在にまで成長しています。

しかし、業界を巡る環境は決して楽観を許さず、昭和60年プラザ合意以降の未曽有の円高による繊維製品の急激な輸入増及び輸出の停滞と国内繊維産業全体の空洞化、平成初期の日本におけるバブル経済の崩壊による景気後退、平成20年から平成21年リーマンショック(サブプライム問題)に端を発した世界経済の情勢不安による景気の頭打ち、そして平成23年3月11日に発災した東日本大震災によって多くの犠牲と様々な社会問題の発生等、時代の荒波という各事業所は淘汰の波に晒されています。

この厳しい環境の中で磨き上げられた同業界各社は、それぞれの業種業態で特定分野に特化したサービスや更なる高付加価値の加工を開発することによって、特徴ある様々なビジネスモデルを確立しています。

(出典:刺しゅうガイドブック)


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