2020.06.08
制菌加工とは?抗菌防臭加工との違い
=もくじ=
●制菌加工とは?抗菌防臭加工との違い
●認証制度について
●SEK認証マークの安全性について
●抗菌防臭加工・制菌加工のSEKマーク(青、オレンジ、赤)
●SEKオレンジマークの制菌生地を使ったマスク
目次
●制菌加工とは?抗菌防臭加工との違い
抗菌防臭加工は、防臭を目的に、ニオイの原因になる皮膚常在菌(黄色ブドウ球菌)の増殖を抑える加工です。それに対して制菌加工は、繊維に付着した細菌の増殖を抑制する加工です。
衣類の嫌なニオイは、衣類についた汗や皮脂を栄養にする皮膚常在菌が増殖することで起こります。皮膚常在菌が汗や皮脂に含まれるアミノ酸や脂質、タンパク質を分解するときにニオイが発生するのです。
抗菌防臭加工とは、その皮膚常在菌の増殖を抑制することによって嫌なニオイの発生を防ぐ加工です。
一方で制菌加工は、繊維に付着した細菌の増殖を抑える加工です。ここで言う「細菌」は皮膚常在菌だけでなく、肺炎かん菌などの人体に有害な細菌も含みます。
(詳しい抑制対象菌種は、後述の●抗菌防臭加工・制菌加工のSEKマーク(青、オレンジ、赤)をご覧ください。)
そのため制菌加工は抗菌防臭加工と同じ、嫌なニオイの発生を防ぐ機能を持ちながら、さらに有害な細菌の増殖も抑えるという優れた機能を持っているのです。
●認証制度について
抗菌防臭加工と制菌加工には認証制度があります。それは一般社団法人繊維評価技術協議会(JTETC)が実施するSEKマークです(業界自主基準)。
消費者の生活環境向上のため、適切な表示、評価基準及びその他の認証基準に基づくSEKマーク繊維製品を提供することを目的に、この認証制度が設けられました。
認証基準に適用する加工は、抗菌防臭加工と制菌加工を含めて9種類あります。(それらを総称して機能加工と呼ばれています。)
認証基準を満たした(安全性と性能に関する試験を合格した)機能加工製品には上図のSEK認証マークが付けられています。
●SEK認証マークの安全性について
SEK認証基準では、使用禁止する化学物質と順守する法律が定められており、さらに加工剤と製品の安全性試験が行われます。
加工剤の安全性試験では、4項目(①急性経口毒性試験、②変異原性試験、③皮膚刺激性試験、④皮膚感作性試験)全てのデータの提出が義務付けられています。
また、製品の安全性試験では、皮膚貼付試験が行われます。
●抗菌防臭加工・制菌加工のSEKマーク(青、オレンジ、赤)
SEK認証基準に設けられている9種類の機能加工の中で、再び抗菌防臭加工・制菌加工に注目します。
上図の通り、抗菌防臭加工は青マーク、制菌加工はオレンジマークと赤マークに分けられます。
青マークの抗菌防臭加工は、一般家庭用品に使われています。
オレンジマークの制菌加工製品は、一般家庭用品や食品業務用の縫製品などに使われています。中には介護ウェアに使用されている製品もあります。
これに対して赤マークの制菌加工製品は、高度な制菌効果(MRSA:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌への抑制効果)があり、医療・介護等の特定用途に限られています。また、一般の店頭での販売が禁止されています。
●SEKオレンジマークの制菌生地を使ったマスク
弊社はSEK認証オレンジマークの制菌生地を使用したマスクを3種類、製造販売しています。
※マスクは感染(侵入)を完全に防ぐものではありません。
※弊社では制菌加工を行っておりません。