2023.03.30
糸の太さと表示方法について
刺しゅうに使用される糸の種類は幅広く、極端にいえばミシンで使用可能な全ての糸を使用します。
糸の太さを表す表示方法が糸の種類によって違うことで分かり辛い面があるので、こちらの記事で簡単にまとめてみました。
目次
糸の太さは”番手”と呼ばれる
太さといえば直径と考えますが、糸の太さは繊維の断面が円形ではないために直径で太さを表すことができません。なので、”長さ”と”重さ”の関係で表します。
表示方法としては、一定の重さを基準とした”恒重式表示法”と、一定の長さを基準とした”恒長式表示法”があります。
恒重式表示法
■「一定の重さ」に対する「糸の長さ」で表す。
■繊維を撚り合わせて作られる紡績糸に適用される。
■数値が大きいほど糸は細くなる。
一定の重さ (恒に重さは同じ) | 糸の長さ | 糸の太さ | ||
綿糸 | 1番手 | 1ポンド | 840ヤード | 基準値 |
綿糸 | 20番手 | 1ポンド | 840ヤード×20 | 細い |
麻糸 | 1番手 | 1ポンド | 300ヤード | 基準値 |
麻糸 | 25番手 | 1ポンド | 300ヤード×25 | 細い |
毛糸 | 1番手 | 1kg | 1000m | 基準値 |
毛糸 | 30番手 | 1kg | 1000m×30 | 細い |
恒長式表示法
■「一定の長さ」に対する「糸の重さ」で表す。
■絹、合繊フィラメント糸(ポリエステル糸、ナイロン糸など)に適用される。
■数値が大きいほど糸は太くなる。
【デニール(D)】糸の長さ9000mに対して糸の重さ1gを1デニール、2gを2デニールと表します。絹、合繊フィラメント糸(ポリエステル糸、ナイロン糸など)に対して用いる国際的な番手表示法です。フィラメント糸番手を基準にしています。
【デシテックス(dtex)】デシテックスは糸の長さ10000mに対して糸の重さ1gを1デシテックス、2gを2デシテックスと表します。この番手は全ての糸に対して用いられます。工業用ミシン糸の太さの表示方法です。
【テックス(tex)】テックスは糸の長さ1000mに対して糸の重さ1gを1テックス、2gを2テックスと表します。従来糸の種類や国によって異なった表示方法を統一するためにISOによって提唱された表示方法です。全ての単繊維、糸、繊維束に共通の恒長式表示法として表します。
一定の長さ (恒に長さは同じ) | 糸の重さ | 糸の太さ | ||
デニール | 1D | 9000m | 1g | 基準値 |
デニール | 75D | 9000m | 75g | 太い |
デシテックス | 1dtex | 10000m | 1g | 基準値 |
デシテックス | 133dtex | 10000m | 133g | 太い |
テックス | 1tex | 1000m | 1g | 基準値 |
テックス | 168tex | 1000m | 168g | 太い |
簡単になりませんでした。すみません。