2017.11.02
ベテラン社員に聞く針の糸通し
今回の話題は「針に糸を通しやすくする方法」です。
目次
針に糸が通らない…
刺繍屋さんに入社して奮闘することの一つに、「ミシンの針になかなか糸が通らない(汗)」ということがあります。
タナベ刺繍の場合、準備のときに通す糸の本数が最大120本にもなるんですね。それも、糸切りバサミと身近にあるものだけで、スルスルと針に糸を通しているのです。
入社仕立てだとなかなか糸が通らず、焦って余計、糸が通らなくなることもよくあります…。
すなわち、ご家庭で手縫いやミシンで刺繍をされる方の力になれるのではないか?ということでこの記事を書いてみました。
「あ〜、なかなか針に糸が通らない」
「糸通し器がない!(泣)」
「時間がかかってイライラする…」
そんなあなたに是非読んでいただきたい記事です。
ミシン刺しゅうのベテラン、製造部長の一言
社内でミシン刺しゅうに一番精通している、製造部長に話を聞いてみました。
「一番は、慣れやね〜。。。」
最初は誰でも苦労するけれども、やっていくうちに誰でもできるようになるのだそうです。
…。
とは言えこれで記事を終えるわけにはいきません!
人によって通し方は様々で、これといった決まりはありません。そこで、ミシン刺しゅうを扱っている社員に、どんな通し方をしているのかリサーチして、まとめてみました。
糸の通し方
〜針に糸を通す前に〜
適切な種類の針を利用する
使う糸に適した針を使用していますか?縫う生地に対して適切な糸があるのと同じように、生地と糸に対して適切な針があります。適切でないと、うまく糸が通らなかったり、通ったとしてもうまく縫えないことがありますので確認しておきましょう。
針にゴミなどが付いていないか確認する
刺繍業者の場合、縫う準備でのりを使うので、針にゴミがついていたりベタベタしていたりするときがあります。ゴミや汚れをふき取ったり、曲がったりした悪質な針を交換する必要があります。
〜針に糸を通す〜
白や黄色の紙を敷く
針に糸を通そうとしても、針穴がうまく見えなければ通りにくいですよね。そこで使っているのは、白い紙です。これがあると、針穴がよく見えます。狙いを定めやすくなるのですね。
糸の先を斜めに切る
糸を真横に切るよりも、斜めにして糸先を尖らした方が、針に通りやすくなりますよ。糸先が割れてしまう場合は、先が揃うように切り直してみましょう。
誘導する〜ミシンバージョン〜
これは、針が固定された状態のときに使えます。手縫いでこれをする場合、ピンクッションに針を刺してするといいかもしれません(ただし場合により、やりにくいです。)
糸先をちょこんと針穴に通し、通した反対側から指先で流れを作ってやる、という方法です。これは、毛羽立った糸でも役立ちます。毛羽立った糸先を何本か針穴に通し、指で「おいでおいで」と撫でるようにして完全に糸を通し切るというものです。
針穴を糸に近づける〜手縫いバージョン〜
上で挙げた「誘導する」という方法は、針が固定されたミシンで使える技です。手縫いの場合は、逆に針穴を糸先に持ってくることで通しやすくなります。
手加工のベテラン社員にも話を聞いてみました
タナベ刺繍には、仕上げ・検品の中でも手加工で大活躍している社員がいます。その社員は、タナベ刺繍に入社する前は刺しゅうの経験がほとんどなかったそうです。
「数ですね。やっていくうちにだんだんと慣れて出来るようになりますよ。」
ここでも「慣れ」という言葉が出て来ました。
「例えば素早く玉結びができる人に方法を教えてもらったとしても、数をこなさないと早く結べないのと同じです。たくさん聞くよりも、実際に何度もやってみた方がいいかもしれません。それに、やり方は人それぞれなので、『これをすれば正解』、というものはありません。」
さらにこんなポイントも教えてくれました。
「針の糸通しに限らず困った時は、自分で調べるよりもできる人にやり方を見せてもらったり見てもらったりして教えてもらう方がやりやすかったです。写真や説明文を見ながらやっても、出来上がりが違ってしまうことがよくありました。」
上手になるには、何度も繰り返し練習することと、上手な人にコツを教えてもらうことが大切なようです。
まとめ
針に糸を通しやすくするには、背景色を白や黄色にする、糸を斜めに切る、糸を指で誘導する、糸に針を近づける、といったコツがありました。
その上で一番の上達の道は、教えてもらうこと、そして焦らず何度も何度も練習してみることです。
ぜひ、試してみてくださいね!
手加工について興味を持った方は、こちらのページをご覧ください。
お読みいただきありがとうございました!