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2023.03.30

刺しゅう屋さんによる可愛いアップリケの見せ方~レディースデザイン~

皆様こんにちは。

突然ですが、「アップリケ」というと、どんなイメージが浮かびますか?

今回の記事は、弊社おすすめの「こんな使い方があるのか!」というようなアップリケの使い方をまとめました。ファッションをワンランクUPさせる加工をお探しの方には是非ご一読いただきたい内容となっております。

また、ファッション・アパレル業界に限らず、おしゃれでユニークなものづくり(加工)に携わる方々やデザイナーにも、本記事をお楽しみいただければ幸いです。

◎本題に入る前に

使用するアップリケの生地について

アップリケは身生地と異なる生地を切り抜いて縫い付けます。

https://www.e-tanabe.net/park/laboratory/335/

そのため、どんな生地・形・縫い付け方をするかによって、全然見え方が違ってきます。

弊社でアップリケに使用している主な生地をまとめると、次の6つようになります。

・サテン      …光沢感、高級感がある/オールシーズン向き
・シフォンベルベット…光沢感、高級感がある/秋冬向き
・シフォン     …マット、繊細な感じ/春夏向き
・チュール     …透ける、繊細な感じ/春夏向き
・人工皮革     …マット、フェルトみたいな/秋冬、雑貨向き
・レース      …透ける、繊細な感じ/春夏向き
(※順序不同)

どれもポリエステル素材になります。

なぜなら、弊社ではアップリケ素材をレーザーカットで切り抜くことが多く、熱に耐えられる素材を中心に取り扱っているからです。

https://www.e-tanabe.net/park/laboratory/312/

6つの素材の特徴をうまく生かして使うことで、様々な見せ方・印象を作ることができますよ。

ということで今回は、主に上の生地を使用したアップリケをご紹介していきたいと思います。

1.アップリケを重ねる

素材:オーガンジー

まず、アップリケを重ねるという見せ方です。この重ね方にも微妙に違いがあるので、今回は大きく3つに分けました。

⑴グラデーション風に見せる

素材:シャンブレーサテン

濃淡の異なる同じ素材のアップリケを、グラデーションになるように重ねる方法です。こちらはアップリケの輪郭をステッチで留めつけた上から、アップリケの輪郭とは異なる花のステッチを重ねています。そうすることで花の繊細でふんわりとした雰囲気や、多層の花びらの感じを引き出しています。

素材:サテン

グラデーションとは違った配色のアップリケを重ねるとこんな感じになります。花や葉っぱの小さいアップリケ(最小5mm幅)と茎を表す繊細なステッチの対比が、可憐で繊細な印象を引き出している刺繍です。花の中心にウッドビーズをあしらうことで、モチーフの持つ質感や世界観が引き立っています。

⑵パーツのアップリケを重ねてモチーフを作る

素材:シフォンベルベット

一枚の花びら、あるいは一枚の葉っぱとなるアップリケを複数組み合わせて、1つのモチーフを完成させています。この刺繍の場合はパーツの形を何通りか作り、組み合わせています。

素材:サテン

それに対して、全て形や大きさの異なるアップリケを使う見せ方もあります。こちらのアップリケはご覧の通り花、茎葉それぞれ異なるものを組み合わせて作っています。

⑶同じ形のパーツでリフレイン

素材:合皮

全く同じ形にカットした、同じ素材からなるアップリケを何枚も使用する見せ方です。こちらは首回りを飾るように刺繍しています。重ね見せする合皮のアップリケや、ポイントとなる刺繍とラインストーンとの組み合わせが、エレガンスな女性らしさを引き出しています。

2.異素材の組み合わせ

シフォンとチュール

ここで紹介するのは、最初に取り上げたアップリケの生地を色々と組み合わせるやり方です。何種か組み合わせることで生まれる雰囲気があります。

「異素材の組み合わせの見え方が気になっても、試作には踏み切りづらい」という方のヒントになれれば幸いです。

⑷透ける生地と○○

チュールとサテン

半透明で柔らかいチュールの下から、色濃くツヤ感のあるサテンが浮かび上がる見え方です。色の輪郭がぼやっとしたような、不思議な見え方がします。

サテンとチュール

それに対してサテンアップリケが上に出てきた場合、より上品さが引き立つような見え方になるようです。

⑸色艶や光沢感ある生地と○○

シフォンベルベットとチュール

ベルベットとチュールという、真逆に思える素材の組み合わせは、チュールを下にして組み合わせてみた場合、軽やかさが少しプラスされるように見えます。

シフォンベルベットとサテンと人工皮革

こちらは艶やかでゴージャスな見え方になる組み合わせです。少し重たい印象もある組み合わせなので、広範囲にガッツリ使うよりも、要所要所で見せるのが良いかもしれません。

3.まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回ご紹介したのは、アップリケを重ねる方法と、異素材を組み合わせる方法でした。

まだまだ、今回ご紹介していないアップリケの見せ方や、アップリケを取り入れた刺繍はございます。

もっとアップリケのサンプルを見たい!という方は是非こちらのデザインギャラリーをご覧ください。

https://www.e-tanabe.net/design_gallery/


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