2019.05.10
スパンコールとシフォン生地で透明感あるビーチを
夏といえば、何を思い浮かべますか?
海?山??かき氷???
タナベ刺繍のある香川県東かがわ市は、瀬戸内海に面しています。香川で生まれ育った社員が多いためか、子どもの頃から海に慣れ親しんできた人が結構多いみたいです。そういうこともあり、「夏」といえば、「海」。さらにリアルに「裸足で砂浜を走る感じ」だとか「海辺で波ギリギリに近づこうとして突然の大波に靴をびちゃびちゃにしてしまった感じ」はもちろん、「海辺の波が打ち寄せては引いていく光景」をイメージしやすい人が多いようです。
さて、2020ssのトレンドに、透け感=シアー感がありますね。前回の記事ではハネのイメージを膨らませた、蝶の刺繍をお伝えしました。
今回は、「海辺」のイメージを膨らませた、透明感と軽やかさ、きらめきのある刺繍をお伝えしたいと思います。
まずは、4配色をご覧ください。
目次
◆ホワイト
ホワイトの生地に海や空を連想されるブルーを使った、清純で涼やかな印象を持たせる配色です。
キーワード:清純、ピュア、純粋、
カラー:ホワイト、アクアマリンブルー、シルバー、スカイブルー
◆オレンジ
南国の水平線に沈む太陽を連想させるような、情熱的でエネルギッシュな輝く女性の印象を与えます。
キーワード:パッション、情熱、南国、サンセット
カラー:オレンジ、ゴールド、サンフラワーイエロー
◆ピンク
女性のふわふわした可愛らしさ、甘い印象を持たせるピンク系の配色です。
キーワード:ガーリー、ロマンス
カラー:パウダーピンク、シルバー
◆ブラック
落ち着いた、大人な女性をイメージさせるブラックとゴールドの配色です。夏の夜の浜辺から星空を眺めているような感じもします。
キーワード:ビター、クール、ギャラクシー
カラー:ブラック、ゴールド
スパンコールをふんだんに使った刺繍ですね。様々な縫い方を組み合わせることで波の感じを出しています。また、生地を2種類使っているところもポイントです。
※こちらの刺繍は、PTJ(プレミアムテキスタイルジャパン)2020ss会場にてご覧いただけます。
それでは詳しく見てみましょう。
◎手法 【平縫い・ラスター刺繍・グリッター刺繍】
使用しているのは、3mm(シルバー)、5mm(ブルー)のスパンコールです。
泡の大小はもちろんのこと、平縫いと立体刺繍(ラスター)、グリッターステッチを混ぜ合わせることによって、波の動きや立体感、波の押し引きの感じを表現しています。
上画像で言うと、真ん中あたりのシルバーのグリッターステッチが、波打ってできた泡のしゅわしゅわ感を出しています。平縫いと違ってスパンコールの面がランダムな方向に向くので、光の反射の仕方が海っぽく見えるのですね。
◎ポイント
シフォン生地特有の軽やかさが、レディースの服であれば可愛らしさを演出します。生地端の上部はタックをつけてスパンコールで刺繍をしています。生地端の下部は縫い付けていません。動いたり風が吹いたりするとひらひらと動くことで、涼しげで可愛らしい印象を持たせるようにしています。
また、シフォンを縫い付ける前にスパンコールを身生地に縫い付けています。海中でも砂や貝殻などが光を反射する感じが出て、より海らしい奥行きのある表現をしています。
他に刺繍サンプルをご覧になりたい方は、随時更新中のデザインギャラリーを、基本的な刺繍テクニックをご覧になりたい方は刺しゅうパーク内の刺しゅう研究室をご覧ください。